今の猫がいなければ、家を建てることはなかっただろう。2023年夏、仕事中に職場の前で保護した仔猫5匹が、その後の住宅購入を決定づけるきっかけになった。
5匹の捨て猫と出会う
家を建てようと思ったきっかけは、猫を保護したからだった。
ある夏の暑い日、仕事で朝から煮詰まっていた。気分転換にジュースでも買いに行こうと建物の外に出る。すると、足元に見慣れないダンボールが。中には生まれたての仔猫が5匹入っていた。兄弟で捨てられたようだ。うにょうにょと動いているが、真夏の直射日光で、すぐに仔猫の命の危険を感じた。お乳は飲んだのだろうか、こんなことをするなんて、本当に人間はクズだな、などといろいろな感情が頭の中を駆け巡った。が、ここは人間の大人としていちおう警察に連絡して、現場に来てもらうことになった。
ほどなくしてお巡りさんがきた。「うわぁ、ほやほやですねぇ」って。のんきか。
捨て猫は拾得物として保管しますということだった。しかし、なんとなく、ちょっと気になったことを聞いてみた。ほんとに世間話程度の会話のつもりだった。
「この子たちはこの後どうなるんですか?」
するとお巡りさん「こんな仔猫なら手がかかるから愛護センターに行っても処分かなあ。」と。
「えっ」結構ショックだった。警察に届けたら保護センターで育てられ、人手に渡ると思っていたからだ。クズは自分だった。他責もいいところだ。
運命の選択
さあここでいきなり運命の岐路に立ってしまった。警察に引き渡したら、けなげに寄り添っているこの子たちは人間の都合で淘汰されてしまうかもしれない。そして気づく。まだ出会って数分なのに、すでに仔猫に対してメロメロになっていた。
とはいえ、現実に戻り仔猫をどうするかを今決めなければならない。しかしこの命たちを消す選択肢はなかった。
「あっじゃあ引き取ります」
急ごしらえの決意は日和気味の返事になった。なんと情けなく頼りなかっただろう。しかしお巡りさんは安心したようで「おーよかった!幸せになるんだよ~」とか言ってる。ちょっとは協力してくれよという気分。
しかし引きとると宣言はしたものの、仔猫たちをどうするかまだ全く何もわからない。
気分転換どころか5匹の命を預かり、人生が転換した日だった。
次回
この子たちを引き取ったことで、なんとなく「引っ越さないと」から「要転居」の現実にシフトした。猫のために引越しを検討し始めたのが、住宅購入を考えるすべての出発点になる。
次回は猫OKの賃貸を探した経緯と、なぜ「借りる」ではなく「買う」になったか、というお話。